トヨトミの野望(小説・巨大自動車企業)書評


トヨタ自動車の闇を描いた小説「トヨトミの野望」を読みました。
ここまで企業の裏側に染まった迫ることができるのは小説という体裁をとっているからだと思うが、出版までこぎつけた講談社を褒めるべきな気がする。
どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションかわからないですが、かなり忠実にその時代のことを書いていると思われます。
冒頭からヤクザの事務所に乗り込んでトヨトミ本家のJrを助けるところから物語は始まります。
本書によるとトヨトミ自動車が世界首位の販売台数を誇るメーカーになった礎を築いたのは雇われ社長の武田剛平。こちらのモデルが経団連の会長まで努めた奥田さんであることは疑いようがないでしょう。
思わずWikiペディアを開きながら読み進めていました。マニラに左遷されていたことまで事実だったのには驚きました。
本書を読むまでは、奥田さんのイメージはどちらかというとトヨタ自動車の中でエリート街道を歩き、熾烈な出世競争を勝ち抜いたサラリーマン社長でしたが、本書を読む限り生粋の起業家であり戦略家であるといえます。
特に組織では異端と言われる人の使い方が非常にうまい。
奥田さんが去ったあとのトヨタ自動車は世界一の自動車メーカーにはなりましたが、豊田一族のイエスマンばかりの普通の大企業になってしまったようです。
本書でも触れられているように世界を代表する超大手企業なのに僅かな株式しか持っていない創業家が未だに実験を握る会社というのも世界的に見でも珍しいといえる。
殿様文化をこのむ日本人らしいといえば日本人らしいと言えます。
なかなか表に出てこないこういった現場の生々しい話は小説で読むに限りますね。
しばらく経済小説にはまりそうです。

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